5/5 銀行提出資料の作成から見えた、実務における生成AIの限界点と最適解

本日は、銀行用の提出資料を様々作成していたのですが、AI活用の実務においてある程度の限界点が見えてきましたので、備忘録も兼ねて本日のブログに書き留めておきたいと思います。

結論から申し上げますと、現在の生成AIは「既存のフォーマットをいじったり、綺麗に整えたりする作業」が非常に苦手だということが分かりました。

今回、最上位のAIモデルの有料枠機能上限まで、この資料作成プロジェクトにほぼ全てをつぎ込んで検証してみたのですが、それでも「人間が意図するフォーマット通りにまともに作成できない」という事実が浮き彫りになりました。逆に言えば、フォーマット調整は苦手な一方で、「コードの記述」や「とにかく揺らぎの少ない論理を作成させること」に関しては非常に得意だという感覚です。

現在、「文系の業務の中核となるような資料作成などが、全てAIで代替される」といった極端な意見を耳にすることもあります。確かに、結論が出やすいものや、ある程度方向性やゴール(期限)が決まっている業務については、AIに置き換わっていく可能性は高いでしょう。しかし、そうではない複雑な業務については、AIが完全に代替できるようになるのはまだまだ先であり、AI自身も苦手にしている気がします。

なぜかと言いますと、結局のところ「ゴールがふわっとしている」業務においては、こちらが考えている意図とAIが考えている出力との間にギャップが生じ、それを埋めるための学習データが圧倒的に足りていないからです。その辺りの学習データが蓄積されてくる5年後、10年後になればまた状況は変わってくるかもしれませんが、現状において「PowerPointのフォーマットで、ここの部分はこうしたい」といった細かいお作法をAIに汲み取らせるのは至難の業です。現状ではまだ、AI単独で完璧な資料を生成させるのには至らないと考えるのが重要だと感じました。

では、この課題を実務でどう解消させるかについてですが、結局のところ、現状のPowerPoint等の資料作成においては、「こちらでフォームや形式を完全に指定する」というプロセスが不可欠です。枠組みを決めてしまった上で、そこに変数や関数を入れる作業や、コードを書かせるという部分については機械に任せても良いと思います。しかし、やはりレイアウトの微調整(「これよりはこうする」といった判断)や、根本的なフォーマットの設計については、ある程度人間側で指定してあげなければ、現状での実用的な生成は難しいという気がします。

もし「毎回フォーマットが変わってもいい」ということであれば、AIにゼロベースでパーッと作らせるのも一つの手かもしれません。しかしその場合、当社の事業のように「反復継続して精度の高い書類を作成する」という目的には向きません。1回ポッキリの使い切りシステムの叩き台を作成するという観点では十分使い物になるのですが、やはり最終的な調整段階で「ここが違う」といった違和感が生じやすくなります。

そう考えると、AIは「使い切りの叩き台を作る」という観点では極めて優秀です。しかし、そのまま人に提案して対価をいただけるレベルの成果物を期待したり、反復継続して全く同じ精度のものを作らせたりといった使い方には向いていないというのが、現場で泥臭く検証を重ねた私なりの結論です。