Category Archives: 未分類

1月11日日報「特徴がない」という最強の武器。ヒルトン・マリオットに学ぶ “引き算” の開発戦略

今日は、次期開発案件に向けた市場調査(リサーチ)に時間を割きました。 テーマは、ヒルトン傘下の「Hampton Inn」やマリオットの「Fairfield」などが世界中で急拡大している「セレクトサービスホテル(宿泊特化型)」の分析です。

1. 「個性」のインフレに対する逆張り 日本の観光地では今、グランピングやコンセプチュアルな高級ヴィラなど、「個性的であること」がインフレを起こしています。しかし、AIを用いてグローバル市場の動向と顧客心理を深掘りすると、面白い事実が浮かび上がってきました。

多くの旅行者は、「宿そのもの」よりも「現地の食事や体験」にお金を使いたいと考えています。彼らが求めているのは、過剰なサービスや難解なコンセプトではなく、「裏切られない清潔さ」と「快適な睡眠環境」だけです。

2. 「Not Identity」という戦略 私はこれを「Not Identity(非・個性)」戦略と呼んでいます。 周囲が個性を競い合う中で、あえて「特徴を消す(標準化する)」ことは、オペレーションコストを劇的に下げ、利益率(GOP)を高めることに直結します。 金融機関の視点で見ても、流行り廃りの激しい「尖ったコンセプト」より、不況に強く需要が底堅いこのモデルの方が、ファイナンスの評価は高くなります。

3. AIで「巨人の肩」に乗る 今日の調査では、AI(Deep Research)を活用し、海外大手の収益構造や成長曲線を徹底的に洗い出しました。少人数のチームですが、情報量と戦略の解像度では大手に引けを取りません。 「面白みがない」と言われるかもしれませんが、「面白み(利益)」は決算書の中にこそあるべきだと私は考えています。

次の一手は、この堅実なモデルを日本の地方にどうフィットさせるか。静かに、しかし着実に準備を進めています。

1月10日日報 「たかがシーツ、されどシーツ」――6回転か10回転か、現場の数字に宿る経営哲学

昨日は、30年前のバブル経済と世界金融市場という、極めて「マクロ」な視点で思考を巡らせていました。 打って変わって、本日の私の脳内を占拠していたのは、極めて「ミクロ」な問題です。

それは、**「宿泊施設の枕カバーとシーツの在庫を、何セット持つべきか」**という一点です。

運営中のある施設において、リネン(シーツ類)の在庫基準を見直していました。 教科書的な運営理論で言えば、実際に使用する枚数の3倍〜5倍(3〜5回転)程度あれば、クリーニングのサイクルは回ります。現状、私たちは「6回転」分の在庫を持っており、理論上は十分すぎる数字です。

しかし、現場は理論通りには動きません。 突発的な連泊、予想外の汚損、クリーニング配送の遅延リスク。 「理論上は足りる」という状態は、裏を返せば「何かが一つ狂えばアウト」という綱渡りの状態でもあります。

私は本日、これを「10回転」まで引き上げる決断をしました。

一見すると、過剰在庫であり、無駄なコストに見えるかもしれません。 しかし、たかがシーツ1枚の不足で、大切なお客様の宿泊体験を損なうことこそが、我々にとって最大のリスクであり、ブランド毀損です。

これは、会社の財務戦略にも通じる話です。 ギリギリの資金繰りで効率を最大化するのではなく、不測の事態が起きてもびくともしない「十分な手元流動性(バッファ)」を確保しておくこと。 シーツの枚数も、キャッシュフローも、本質的な「安全マージン」の考え方は同じです。

『神は細部に宿る(God is in the details)』

数億円の不動産取引も、数百円の枕カバーの管理も、その根底にあるのは「お客様に対する責任」と「不確実性への備え」です。 現場の小さな綻びを見逃さない「虫の目」を持ち続けること。これも業務を遂行する上で欠かせない能力だと考えています。

細部へのこだわりを積み重ね、信頼という強固な地盤を築いてまいります。

1月9日日報 「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」――1990年代のデータから読み解く、2026年の勝機

今日は一日、外出を控えてデスクに張り付き、ひたすら「過去」と向き合う時間を作りました。

具体的に何をしていたかというと、1980年代後半から1990年代初頭にかけての日本の不動産・金融市場のデータと、ここ数年の欧米における高金利下の不動産市場(特にマルチファミリー投資)の比較分析です。

なぜ、今さら30年以上前のバブル崩壊期のデータを掘り返すのか? そう不思議に思う方もいるかもしれません。

しかし、マーク・トウェインが残したとされる**「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」**という言葉の通り、市場には時代を超えて共通する「構造的な歪み」が発生する瞬間があります。

融資が過熱する局面、金利が上昇に転じる局面、そして市場が調整される局面。 それぞれのフェーズで、どのようなプレイヤーが退場し、逆にどのような戦略を持っていた者が生き残ったのか。当時の「住専」や「ノンバンク」の動きと、現在のグローバルな資金の流れを重ね合わせることで、驚くほど多くのヒント(韻)が見えてきます。

私たち日本不動産株式会社が掲げる**『Special Ops unit(特殊部隊)』**というアイデンティティは、単に「難しい物件を扱う」という意味だけではありません。 多くの人が雰囲気に流されて投資判断をしてしまうような場面でこそ、こうした冷徹なデータ分析に基づき、誰も気づいていない「勝機」や、逆に見落とされている「リスク」を特定する情報戦の能力を指しています。

銀行様から大切なお金をお預かりして事業を行う以上、 「なんとなく儲かりそうだから」 という感覚的な経営は許されません。

過去の破綻事例を直視し、最悪のシナリオを想定した上で、それでもなお利益が出せる盤石なロジックを組み上げる。 地味で根気のいる作業ですが、この「臆病なまでのリサーチ」こそが、ここぞという時の「大胆な意思決定」を支える唯一の根拠になると私は信じています。

歴史から学び、未来の「住」と「旅」のあり方を再定義する。 2026年も、足元の数字とマクロな視点の両輪で、堅実に前へ進んでまいります。

11月26日 日報 民泊は「不労所得」ではない。世界データが示す現実と、私たちが目指す次のステージ。

民泊で楽に稼ぐ」の終焉。世界1,400人のデータから見えた、勝ち残るための「仕組み」とは。

PriceLabs社が発表した最新の「Global Host Report 2025」に目を通しました。世界中の民泊ホスト1,400名以上の生の声を集めた、非常に示唆に富むレポートです。

このデータを読み解くと、私たちが現在取り組んでいる事業の方向性――「個人の労働力に頼らない仕組み作り」の重要性が痛いほど分かります。

自戒も込めて、市場のリアルな現状を共有します。

1. 「副業」ではなく「第二の激務」 「民泊=不労所得」というイメージはいまだにありますが、現実は甘くありません。 回答者の83%が他の仕事を持ちながら運営しており、その多くにとって民泊は「片手間の副業」ではなく、本業が終わった後に始まる「第二の勤務(Second Shift)」になっています

2. 多くのホストが「作業」に忙殺されている 時間が奪われている業務の上位は「管理業務(税務・会計など)」が76%、「物件の清掃・修繕」が72%でした。 本来、オーナーがやるべきは「戦略」や「投資判断」はずですが、現実は清掃手配やゲスト対応、帳簿付けといった「現場作業」にリソースを食い潰されています。

3. AI活用はまだ「発展途上」 興味深いのがテクノロジーへの姿勢です。**43%のホストがAIなどの新技術に「圧倒されている(Overwhelmed)」**と感じており、使いこなせていません。 AIを導入している層としていない層で、今のところ労働時間に大差がないというデータもあり、多くの人が「ツールに使われている」状態であることが伺えます。

— 私たちの現在地と、これから —

このレポートを読んで、改めて確信しました。 これからの不動産事業は、個人の根性論で現場を回すのではなく、「データ」と「仕組み」で戦うプロフェッショナルの領域になっていくと。

私たちは今、現場のオペレーションを徹底的に自動化・省力化し、人間が「人にしかできない判断」に集中できる体制を構築しています。いわゆる「時間的なゆとり」と「経済的な成果」の両立です。

そして、その先に見据えているのは、単なる民泊運営会社ではありません。 現在はまだ準備段階ですが、将来的には他社資本もお預かりしながら、より規模の大きな不動産開発・再生を手掛ける「デベロッパー事業」JpnAssetへの参入を計画し、虎視眈々と仕込みを行っています。

市場の32%は来年の拡大を計画しているそうで、競争は激化します。 しかし、私たちは焦って規模だけを追うことはしません。

まずは足元の運営を盤石にし、AIを正しく使いこなし、着実に次のステージへ上がるための「土台」を固める。 2026年に向けて、今は静かに、しかし着実に準備を進めていきます。

カスタマーハラスメントに対する基本方針

カスタマーハラスメントに対する基本方針
当社は、すべての従業員が安心して働ける環境を確保し、顧客へ質の高いサービスを持続的に提供するため、カスタマーハラスメントに対する基本方針を定め、これを遵守します。
当社は、従業員の心身の安全と健康を最優先事項とします。従業員の人格や尊厳を傷つけるハラスメント行為に対しては、従業員を守り抜くため、現場担当者の判断による対応の打ち切りを含め、毅然とした措置を講じます。
1.不当な要求への拒絶
顧客等からの要求内容が妥当性を欠く場合、または要求手段・態様が社会通念上不相当であると判断した場合は、顧客といえどもその要求を断固として拒絶し、以後の対応をお断りします。
2.外部機関との連携と厳正な対処
悪質なハラスメント行為に対しては、社内だけで解決しようとせず、警察や弁護士等の外部専門家と連携し、民事・刑事の両面から法的措置を含めた厳正な対処を行います。
3.企業間取引における相互尊重
取引先企業からのハラスメント行為に対しても、本方針に基づき毅然と対応します。同時に、当社従業員が優越的な立場を利用して取引先へハラスメントを行うことも決して許容せず、相互に尊重し合える公正な関係構築に努めます。
4.対応記録の取得について
当社では対応の正確性を期すため、通話内容や面談内容を録音・録画させていただく場合があります。

10月29日日報 なぜ今、私たちは「Slack」を導入しないという選択をしたのか?

業務効率化は、当社が常に追求する重要なテーマの一つです。その一環として、私たちは定期的に最新のSaaS(Software as a Service)を評価し、現在のワークフローが最適かどうかを検証しています。

先日、コミュニケーションツールとして世界的に高い評価を得ている「Slack」について、本格的な導入検討を行いました。Slackはその強力な連携機能、カスタマイズ性、そして「ワークフロービルダー」に代表される業務自動化機能において、非常に優れたツールであることは間違いありません。

しかし、慎重な分析の結果、当社は「現時点でのSlack導入は見送る」という戦略的判断を下しました。本日は、その理由と背景にある当社のツール戦略についてご報告いたします。

1. 現状のGoogle Workspace環境の優位性

当社は現在、社内コミュニケーションの基盤として「Google Chat」を、そしてファイル管理、スケジュール、ドキュメント作成のすべてを「Google Workspace」に集約しています。

Google Chatの導入理由は、他のGoogleサービス(ドライブ、カレンダー、Meet、ToDoリスト)とのシームレスな連携にあります。チャットから直接タスクを割り当て、スプレッドシートを共同編集し、シームレスにビデオ会議へ移行できる現在の環境は、すでに高度に最適化されています。

2. Slackの強みと、当社のニーズの比較

Slackの導入を検討する上で、特に魅力的に映ったのは以下の点でした。

  1. 外部SaaSとの豊富な連携(App)
  2. 非エンジニアでも自動化が組める「ワークフロービルダー」
  3. 「ハドルミーティング」による手軽な音声コミュニケーション

これらを当社の現状と照らし合わせた結果、以下の結論に至りました。

① 連携について 当社は「情報のサイロ化」を防ぎ、管理コストを最適化するため、可能な限り利用するSaaSをGoogle Workspaceエコシステム内に集約する方針をとっています。そのため、Slackの強みである「多種多様な外部SaaSとの連携」は、当社の現状のニーズとは合致しませんでした。

② 自動化について Slackの「ワークフロービルダー」は、日報の収集や簡単な申請承認など、定型業務の自動化に優れています。 一方で、当社は「Google Apps Script (GAS)」と最新のAI(Gemini)を活用し、より深く、自社の業務に特化した「かゆいところに手が届く」自動化をすでに実現しています。 定型的な自動化であればGASで十分対応可能であり、それ以上に複雑な処理も(プログラミングコードを介在させることで)柔軟に対応できる現在の体制の方が、費用対効果が高いと判断しました。

③ コミュニケーションについて Slackの「ハドルミーティング」は、テキストでは伝わりにくい内容を即座に音声で補完できる優れた機能です。 しかし、当社では(特にテレワークメンバーとは)Google Meetを勤務時間中、常時接続に近い状態で活用しており、すでに「いつでも声をかければ即座に会話が開始できる」環境が確立されています。そのため、ハドルミーティングの機能は既存のワークフローと重複すると判断しました。

結論

Slackが非常に優れたツールであることに疑いはありません。 しかし、当社の「Googleエコシステムへの戦略的集中」と、「GASとAIによる柔軟な自社カスタマイズ」という現状を鑑みたとき、新たなツールを導入するコストや学習負荷、ツールの分散といったデメリットが、導入メリットを上回ると判断いたしました。

私たちは今後も、半期や一年に一度は市場の動向を冷静に評価し、その時点で最も合理的かつ効率的なIT戦略を選択し続けてまいります。

10月28日日報 なぜ「クレーム電話」の分析に時間を費やすのか?

「社長の仕事は未来を作ることだ」とよく言われます。 もちろんその通りです。

本日も「福岡宿」のモデルチェンジ分析に2時間を費やし、提携先とマンスリー事業の「新しい仕掛け」について深く協議しました。これらは事業の未来を作る「攻め」の業務です。

ですが、それと同じくらい大切にしていることがあります。

本日、私は顧客からの過去の電話対応履歴を全て洗い出し、その分類と分析にかなりの時間を費やしました。 「社長がそんな現場作業を?」 「非生産的では?」 そう思われるかもしれません。

ですが、ここにこそ「会社の今」と「未来のリスク」が詰まっていると考えています。

弊社は私とアルバイト6名の会社です。私がボトルネックになりやすいのは重々承知しており、金融機関様からも常々ご指摘いただく点でもあります。

もし、「新規顧客の問い合わせ」の電話に私が出られず、対応が遅れたら? それは、そのまま「機会損失」につながります。 もし、「既存入居者様のクレーム」の電話に誰も適切に対応できなかったら? それは、一瞬で「信頼失墜」です。

だからこそ、分析しました。 そして、「英語対応フロー」と「クレーム緊急度分類ルール」を本日、策定しました。 **「社長(私)がいなくても、現場が最高の対応ができる仕組み」**を作る。 非常に地味な作業です。ですが、足元がぐらついているのに、高いところには登れません。 「攻め」の投資をするためにも、この「守り」の徹底が不可欠だと認識しています。

朝イチで金融機関様と話し、日中は現場の「今=クレーム」と向き合い、午後は未来の「価値=福岡宿」を深掘りする。

派手さはありません。 ですが、課題から逃げず、現実を分析し、仕組みで解決する。 「住」と「旅」を通じて人の幸福に貢献するとは、こういう日々の積み重ねだと信じています。

10月16日 事業の解像度を上げる一日。戦略と実行の往復運動

こんにちは、日本不動産株式会社の宇野です。

本日は終日、戦略を練る時間と、その実行に向けた具体的な協議に時間を費やしました。企業の成長は、壮大なビジョンを描くだけでも、日々のタスクをこなすだけでも達成できません。抽象的な戦略と具体的な実行の間を、いかに高速で往復できるかが重要だと考えています。

午前中は、次なる成長機会をどこに見出すか、営業戦略の「源泉」について思考を巡らせました。市場環境が常に変化する中で、立ち止まってターゲットを再定義する時間は、事業の羅針盤を校正する上で不可欠です。

午後は、現在構想中の新規事業「A-frameプロジェクト(仮称)」の事業計画策定に集中しました。コンセプトを具体的な数値計画やスケジュールに落とし込み、事業の解像度を上げていく地道な作業です。

さらに、計画を絵に描いた餅で終わらせないため、提携先の建築会社や設計士の皆様との打ち合わせも行いました。現場のプロフェッショナルと対話することで、計画の実現可能性や潜在的なリスクが浮き彫りになり、プランはより強固なものになります。

「戦略を立てる」「計画に落とし込む」「実行パートナーと協議する」。 この一連の流れを一日の中で行うことで、机上の空論ではない、地に足のついた事業推進が可能になると確信しています。

今後も、マクロな視点での戦略構築と、ミクロな視点での実行の両輪を力強く回し、着実な成長を目指してまいります。

9月16日日報 【AI時代の生存戦略】T型人材を目指すのはもうやめよう。これからは「Y型キャリア」と4つの専門性がすべてを決める。9月16日日報 

AIが私たちの仕事を変え始めて数年。多くのビジネスパーソンが「自分の専門性とは何か?」を問い直しているのではないでしょうか。

かつて、私たちは「T型人材」が良いと教わりました。一つの専門分野を深く掘り下げ(縦棒)、幅広い知識で他分野と協業する(横棒)。これは、人間が仕事の大部分を担う時代において、非常に優れたモデルでした。

しかし、その時代は終わりを告げようとしています。 AIが分析、資料作成、プログラミングといった「横棒」の領域を凄まじい勢いで代替し始めた今、T型人材を目指し続けるのは、価値が下がり続ける土地を買い増していくようなものかもしれません。

では、私たちは、個人として、そして企業として、これから何を道しるべにすれば良いのでしょうか。本日は、AI時代における新しいキャリアと組織のあり方について、私の考えを共有したいと思います。


AI時代の人材育成:凡人を「逸材」に変える『Y型キャリアモデル』

「AIに負けない人材になれ」と言われても、誰もが最初から特別なスキルを持つスーパーマンではありません。大切なのは、特別な才能がない人を、どうすればAI時代に不可欠な「逸材」に育てられるかという視点です。

その答えが**『Y型キャリアモデル』**です。

これは、未経験者や若手が、AIを最強の相棒にしながら、長期的に市場価値の高いプロフェッショナルへと成長していくための新しいキャリアパスです。

第1フェーズ:Iの幹を確立する(1〜2年目)

まず、本人が持つ元々の強み(コミュニケーション能力、事務処理能力など)を土台にします。そして、専門知識がゼロでも、AIを駆使して業界知識を高速でキャッチアップし、まずは担当領域で信頼される実行者、つまり**「頼れるI型人材」になります。知識の暗記ではなく、「AIを使って答えを引き出す能力」**が全ての土台です。

第2フェーズ:Yの分岐点に立つ(3〜5年目)

AIと共に現場経験を積むと、「なぜこの仕事は必要なのか?」という本質的な視点が生まれます。ここでキャリアは、本人の適性に応じて2つの専門性へと枝分かれします。

  • <分岐A:仕組み化の道> プロセスデザイナー 自分の仕事を**「誰もが同じ成果を出せる仕組み(システム)」**に落とし込むプロ。AIを活用した業務改善や自動化ツールを設計し、組織全体の生産性をレバレッジします。
  • <分岐B:人間中心の道> チームハブ AIには不可能な、人間同士の複雑な感情や利害を調整する**「結節点(ハブ)」**となるプロ。多様なステークホルダーを繋ぎ、プロジェクトを円滑に推進します。

このYの分岐点に立つことで、彼らは単なる業界人ではなく、市場価値の高い「仕組み化のプロ」or「人を動かすプロ」へと進化するのです。


未来の組織で価値を生む「4つの専門性」

Y型キャリアモデルをさらに発展させると、これからの組織で本当に価値を生む人材は、以下の4タイプに集約されると考えています。

  1. プロセスデザイナー(仕組み化のプロ) 事業の「How(どうやるか)」を設計し、組織の生産性を最大化する。
  2. チームハブ(人を繋ぐプロ) プロジェクトの「Who(誰とやるか)」を繋ぎ、円滑な人間関係と協業を実現する。
  3. アルチザン(専門性を極めるプロ) AIを最高の助手に、人間にしか到達できないレベルで「Quality(質)」を追求する職人。
  4. クエスチョナー(問いを立てるプロ) AIが答えられない、事業の根幹となる「Why(なぜやるか)」を問い、未来の方向性を指し示す人。

8月31日 日報 想定の3倍速、品質95点。スタッフがAIと叩き出した「嬉しい誤算」に学ぶ、新時代の働き方。

こんにちは、日本不動産株式会社の宇野です。

経営者として、スタッフの成長を目の当たりにする瞬間ほど嬉しいことはありません。そして先日、私の想像を遥かに超える「嬉しい誤算」がありました。今日はそのお話をしたいと思います。

事の発端は、あるスタッフに「マンスリーマンション事業の新しい集計表を作成してほしい」と依頼したことでした。彼女は決してExcelの専門家ではありません。そのため、私の中では「期間は1〜2週間、アウトプットの品質は、まず叩き台として30点くらいのものができれば上出来だろう」と想定していました。

ところが、です。 指示からわずか3日後、「できました」と提出されたシートを見て、私は心底驚きました。

シートは完璧に構造化され、私が想像していた以上に複雑な関数が的確に組まれていました。私が100点満点で求めていたものを軽々と超え、95点と言っても過言ではないクオリティのものが、そこに完成していたのです。

なぜ、これが可能になったのか?

もちろん、彼女自身の努力と能力の賜物です。しかし、この驚異的なスピードとクオリティの背景には、現代ならではの要因がありました。それは、生成AIを駆使して、必要な知識をリアルタイムで引き出し、作業を進めていたことでした。

「この集計をするには、どんな関数がいいですか?」 「こういう表を作りたいのですが、手順を教えてください」

彼女は、AIという「超優秀な専門家」を隣に座らせ、壁打ちを繰り返しながら、たった3日で完璧な成果物を創り上げてみせたのです。

マネジメントの役割が変わる

この一件を通して、私は経営者として二つの重要な気づきを得ました。

一つは、これからのマネジメントで最も重要になるのは「指示の質」であるということ。 今回、「どういう目的で、何が見たいのか」というゴール設定を明確に伝えたことで、彼女はAIの力を最大限に引き出すことができました。マイクロマネジメントは不要になり、いかに的確で質の高い「問い」を立てられるかが、チームの生産性を左右します。

もう一つは、個人の能力評価の軸が変わるということです。 「Excelの関数を知っているか」という知識そのものではなく、「ツールを使いこなし、いかにしてゴールに辿り着けるか」という課題解決能力こそが、価値を生む時代になったのです。

私自身のアップデート宣言

先日、このブログで私は「AIは50点のたたき台を最速で出すツールだ」と書きました。しかし、今回の件でその認識を改める必要がありそうです。「質の高い指示」と組み合わせれば、初心者であってもAIは90点以上の成果を出すことを可能にする、と。

スタッフの素晴らしい成長と、AIがもたらす時代の変化のスピードに、正直、少しの焦りすら感じています。 しかし、それ以上にワクワクしている自分もいます。

私もこの進化に負けないよう、自身のスキルと考え方を常にアップデートし続けていくことを、ここに改めて宣言します。