昨日は、30年前のバブル経済と世界金融市場という、極めて「マクロ」な視点で思考を巡らせていました。 打って変わって、本日の私の脳内を占拠していたのは、極めて「ミクロ」な問題です。
それは、**「宿泊施設の枕カバーとシーツの在庫を、何セット持つべきか」**という一点です。
運営中のある施設において、リネン(シーツ類)の在庫基準を見直していました。 教科書的な運営理論で言えば、実際に使用する枚数の3倍〜5倍(3〜5回転)程度あれば、クリーニングのサイクルは回ります。現状、私たちは「6回転」分の在庫を持っており、理論上は十分すぎる数字です。
しかし、現場は理論通りには動きません。 突発的な連泊、予想外の汚損、クリーニング配送の遅延リスク。 「理論上は足りる」という状態は、裏を返せば「何かが一つ狂えばアウト」という綱渡りの状態でもあります。
私は本日、これを「10回転」まで引き上げる決断をしました。
一見すると、過剰在庫であり、無駄なコストに見えるかもしれません。 しかし、たかがシーツ1枚の不足で、大切なお客様の宿泊体験を損なうことこそが、我々にとって最大のリスクであり、ブランド毀損です。
これは、会社の財務戦略にも通じる話です。 ギリギリの資金繰りで効率を最大化するのではなく、不測の事態が起きてもびくともしない「十分な手元流動性(バッファ)」を確保しておくこと。 シーツの枚数も、キャッシュフローも、本質的な「安全マージン」の考え方は同じです。
『神は細部に宿る(God is in the details)』
数億円の不動産取引も、数百円の枕カバーの管理も、その根底にあるのは「お客様に対する責任」と「不確実性への備え」です。 現場の小さな綻びを見逃さない「虫の目」を持ち続けること。これも業務を遂行する上で欠かせない能力だと考えています。
細部へのこだわりを積み重ね、信頼という強固な地盤を築いてまいります。