Monthly Archives: 10月 2025

10月29日日報 なぜ今、私たちは「Slack」を導入しないという選択をしたのか?

業務効率化は、当社が常に追求する重要なテーマの一つです。その一環として、私たちは定期的に最新のSaaS(Software as a Service)を評価し、現在のワークフローが最適かどうかを検証しています。

先日、コミュニケーションツールとして世界的に高い評価を得ている「Slack」について、本格的な導入検討を行いました。Slackはその強力な連携機能、カスタマイズ性、そして「ワークフロービルダー」に代表される業務自動化機能において、非常に優れたツールであることは間違いありません。

しかし、慎重な分析の結果、当社は「現時点でのSlack導入は見送る」という戦略的判断を下しました。本日は、その理由と背景にある当社のツール戦略についてご報告いたします。

1. 現状のGoogle Workspace環境の優位性

当社は現在、社内コミュニケーションの基盤として「Google Chat」を、そしてファイル管理、スケジュール、ドキュメント作成のすべてを「Google Workspace」に集約しています。

Google Chatの導入理由は、他のGoogleサービス(ドライブ、カレンダー、Meet、ToDoリスト)とのシームレスな連携にあります。チャットから直接タスクを割り当て、スプレッドシートを共同編集し、シームレスにビデオ会議へ移行できる現在の環境は、すでに高度に最適化されています。

2. Slackの強みと、当社のニーズの比較

Slackの導入を検討する上で、特に魅力的に映ったのは以下の点でした。

  1. 外部SaaSとの豊富な連携(App)
  2. 非エンジニアでも自動化が組める「ワークフロービルダー」
  3. 「ハドルミーティング」による手軽な音声コミュニケーション

これらを当社の現状と照らし合わせた結果、以下の結論に至りました。

① 連携について 当社は「情報のサイロ化」を防ぎ、管理コストを最適化するため、可能な限り利用するSaaSをGoogle Workspaceエコシステム内に集約する方針をとっています。そのため、Slackの強みである「多種多様な外部SaaSとの連携」は、当社の現状のニーズとは合致しませんでした。

② 自動化について Slackの「ワークフロービルダー」は、日報の収集や簡単な申請承認など、定型業務の自動化に優れています。 一方で、当社は「Google Apps Script (GAS)」と最新のAI(Gemini)を活用し、より深く、自社の業務に特化した「かゆいところに手が届く」自動化をすでに実現しています。 定型的な自動化であればGASで十分対応可能であり、それ以上に複雑な処理も(プログラミングコードを介在させることで)柔軟に対応できる現在の体制の方が、費用対効果が高いと判断しました。

③ コミュニケーションについて Slackの「ハドルミーティング」は、テキストでは伝わりにくい内容を即座に音声で補完できる優れた機能です。 しかし、当社では(特にテレワークメンバーとは)Google Meetを勤務時間中、常時接続に近い状態で活用しており、すでに「いつでも声をかければ即座に会話が開始できる」環境が確立されています。そのため、ハドルミーティングの機能は既存のワークフローと重複すると判断しました。

結論

Slackが非常に優れたツールであることに疑いはありません。 しかし、当社の「Googleエコシステムへの戦略的集中」と、「GASとAIによる柔軟な自社カスタマイズ」という現状を鑑みたとき、新たなツールを導入するコストや学習負荷、ツールの分散といったデメリットが、導入メリットを上回ると判断いたしました。

私たちは今後も、半期や一年に一度は市場の動向を冷静に評価し、その時点で最も合理的かつ効率的なIT戦略を選択し続けてまいります。

10月28日日報 なぜ「クレーム電話」の分析に時間を費やすのか?

「社長の仕事は未来を作ることだ」とよく言われます。 もちろんその通りです。

本日も「福岡宿」のモデルチェンジ分析に2時間を費やし、提携先とマンスリー事業の「新しい仕掛け」について深く協議しました。これらは事業の未来を作る「攻め」の業務です。

ですが、それと同じくらい大切にしていることがあります。

本日、私は顧客からの過去の電話対応履歴を全て洗い出し、その分類と分析にかなりの時間を費やしました。 「社長がそんな現場作業を?」 「非生産的では?」 そう思われるかもしれません。

ですが、ここにこそ「会社の今」と「未来のリスク」が詰まっていると考えています。

弊社は私とアルバイト6名の会社です。私がボトルネックになりやすいのは重々承知しており、金融機関様からも常々ご指摘いただく点でもあります。

もし、「新規顧客の問い合わせ」の電話に私が出られず、対応が遅れたら? それは、そのまま「機会損失」につながります。 もし、「既存入居者様のクレーム」の電話に誰も適切に対応できなかったら? それは、一瞬で「信頼失墜」です。

だからこそ、分析しました。 そして、「英語対応フロー」と「クレーム緊急度分類ルール」を本日、策定しました。 **「社長(私)がいなくても、現場が最高の対応ができる仕組み」**を作る。 非常に地味な作業です。ですが、足元がぐらついているのに、高いところには登れません。 「攻め」の投資をするためにも、この「守り」の徹底が不可欠だと認識しています。

朝イチで金融機関様と話し、日中は現場の「今=クレーム」と向き合い、午後は未来の「価値=福岡宿」を深掘りする。

派手さはありません。 ですが、課題から逃げず、現実を分析し、仕組みで解決する。 「住」と「旅」を通じて人の幸福に貢献するとは、こういう日々の積み重ねだと信じています。

10月16日 事業の解像度を上げる一日。戦略と実行の往復運動

こんにちは、日本不動産株式会社の宇野です。

本日は終日、戦略を練る時間と、その実行に向けた具体的な協議に時間を費やしました。企業の成長は、壮大なビジョンを描くだけでも、日々のタスクをこなすだけでも達成できません。抽象的な戦略と具体的な実行の間を、いかに高速で往復できるかが重要だと考えています。

午前中は、次なる成長機会をどこに見出すか、営業戦略の「源泉」について思考を巡らせました。市場環境が常に変化する中で、立ち止まってターゲットを再定義する時間は、事業の羅針盤を校正する上で不可欠です。

午後は、現在構想中の新規事業「A-frameプロジェクト(仮称)」の事業計画策定に集中しました。コンセプトを具体的な数値計画やスケジュールに落とし込み、事業の解像度を上げていく地道な作業です。

さらに、計画を絵に描いた餅で終わらせないため、提携先の建築会社や設計士の皆様との打ち合わせも行いました。現場のプロフェッショナルと対話することで、計画の実現可能性や潜在的なリスクが浮き彫りになり、プランはより強固なものになります。

「戦略を立てる」「計画に落とし込む」「実行パートナーと協議する」。 この一連の流れを一日の中で行うことで、机上の空論ではない、地に足のついた事業推進が可能になると確信しています。

今後も、マクロな視点での戦略構築と、ミクロな視点での実行の両輪を力強く回し、着実な成長を目指してまいります。